■相談員から
見事な63歳の決断!

当協会の常務理事も務めたSさんは、今年3月に円満退職して、昨年63歳で契約したサービス付き高齢者向け住宅へ入居しました。独身のSさんはずっと仕事をしてきて、30代には認知症になった母親と有料老人ホームに住んだ経験もあります。当時仕事を辞めて親を看るのではなく、仕事を続けながら母の介護費用を払ってホームに託すという選択です。まだ介護保険制度がない時代で、入居金や介護費用は兄弟姉妹で分担したそうです。介護保険が始まって、介護費用が安くなりホッとしたと聞きました。

その母も見送って数年後、今度は長姉が70代で認知症に。グループホームでお世話になったそうですが、2年前に癌で亡くなられました。「うちの家系は認知症になるかもね。その時はよろしく!」と周囲に冗談を飛ばしていたSさんですが、真剣に考え、早めに終のすみ家を決断しました。Sさんはこの高齢者住宅では若い方ですが、他に60代の入居者も数名いるので、すでに友達関係もできています。Sさんの生活設計は年金生活に備えるため、畑を借りて耕し、果樹園を作って自給自足の生活を目指すことです。仕事も依頼があれば小遣い稼ぎになります。Sさんには「高齢者住宅」への抵抗は全くなく、むしろ「高齢者住宅」の環境が自分のやりたいことを成し遂げやすいと考えたそうです。協会が運営する永代供養墓にも契約しました。早すぎるように見える決断ですが、なかなかあっぱれ、元気な農婦を目指してほしいものです。

2016年5月2日

米沢なな子(情報センター大阪 センター長)