900件の反響にびっくり。「老後の住まい方」は普遍のテーマに

今の家で最期まで大丈夫、と考える人は少ない

 この11月、高齢者住宅情報センターは開設14年目を迎えます。この13年間にお受けした高齢者住宅への住み替え相談事例をまとめた小冊子が何社かの新聞で紹介されました。その中でも「老後の住まい方を考えよう」というタイトルが掲載された記事では近畿二府六県、中国、四国地方から700件ほどのお問い合わせをいただき、事務所がパニックになって、嬉しい悲鳴でした。小冊子を申し込まれたのは40代から90代の方々で60代、70代が最も多く、その8割は女性でした。
 兵庫県の山間部に住む80代の女性は、環境が気に入って田舎暮らしをしていたが、年老いて夫も体調が優れず2人で孤立している。娘は遠方でなかなか来てくれない。怒り口調で延々と困っている状況を訴えておられましたが、
もう行動を起こす気力、体力はなさそうです。10年前にご相談いただいていれば、何とかできたかもしれません。今となっては愚痴をお聞きするだけで、生活支援が付いた高齢者住宅をご紹介しても住み替えることはできないと思われます
 北陸に住む60代の女性は、急に夫に先立たれて一人暮らしに。子ども達は関東や関西に出て家庭を持っている。今は元気だけど、この先どうしたものか最近真剣に考えるようになった。しかし地方には介護施設は多くても、自立している自分が入居したいような高齢者住宅は見当たらない。年老いて子ども達に迷惑を掛けたくないので、自分で老後の住まいを決めたいのだが……。

高齢者住宅の現状をまず見て

 小冊子にはアンケート用紙を付けてお送りしたところ、様々なコメントが返送されてきました。「冊子を読んで、老後の住まい方の考えが変わった。今まで2人子どものどちらかの近くに行って看てもらおうと思いお金を残すことばかり考えてきた。しかし高齢者住宅へ入って子どもには負担をかけない方がうまくいきそうな気がしてきた。」と70代の女性。
 まだ元気だから取り敢えず参考に、という方がほとんどのようでしたが、ファイナンシャルプランナーの知人は「資金計画は50代から始めても早すぎない。70代では遅いでしょう」と。
まだまだ偏見や誤解の多い高齢者住宅ですが、機会があれば見学してみてください。
 「高齢者住宅に入居するのは思っていたより費用が掛かることがわかった。私の経済力ではとても無理です」という方が多かったのも事実です。「高齢者住宅のリストが載っているかと思ったのに」という方は直接ご相談ください。
冊子を読んでのご相談も増えています。今後も様々な事例をご紹介していきたいと思います。

高齢者住宅情報センター 大阪センター長 米沢なな子