■相談員から
元気に高齢社会を生き抜く知恵を!

高齢化率が25%超えに

 出勤前にテレビで目にした高齢化率のニュース。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が26.7%に達したというもので、過去最高だそうです。1920年の国勢調査開始以来、高齢者が25%を超えたのは初めて! と、情報番組でも取り上げられていましたが、皆さんは、どんなふうにお感じですか。
 私には1925年生まれの父がおりましたが、その父からよく聞かされていたのが、「俺が子どもの頃には、人生50年と言ったものだ。それが、今は寿命が延びて、80歳に手が届くことも珍しくなくなった」ということでした。
 さて、【表1】は、国勢調査にみる高齢化率の変化を表しています。少子化が進み、労働人口が減少。数字にだけ目を向けると、経済も福祉も先行きが不安になります。一方で、平均寿命と健康寿命の差も気になるところです。

「キョウヨウ」と「キョウイク」?

 以前参加した講演会で、「高齢期に必要なものは、キョウヨウとキョウイク」という講師の言葉に、私は耳を疑いました。今になって言われても、間に合わない! 講師がボードに書いたのは、「今日用と今日行く」という種明かしでした。今日行くところがあり、今日する用事があることが、生活のリズムを保ち、やりがいや意欲を引き出すことに繋がっていくというのですね。
 先日読んだ本の中に「寝たきりになると長いは迷信」(注1)という見出しが目に飛び込んできました。思わず読み進めると、「過半数の人の寝たきり期間は一ヶ月未満」とあります。1970年、65歳以上の人口が7%を超え、1972年に刊行され話題となった有吉佐和子の『恍惚の人』では、壮絶な舅の家族介護が描かれていましたが、1980年代に行われた最終臥床に関する調査では、寝たきり期間が55.3%となっています。
 次の見出しは、「長生きになった分だけ健康な期間が延びる」。そこには、人口学者の調査による人類の死亡パターンが紹介され、新しい老化モデルによれば、長生きになった期間は、本質的には健康な期間が延びることを意味し、死の間近になって急速に能力が低下するという概念であると書かれていました。
 皆さんの「今日用と今日行く」はどんなことでしょうか。健康寿命を延ばし、平均寿命との差を縮め、豊かな老齢期を送ることを可能にするのは、元気で意欲的な暮らしの継続に他ならないと思います。

●参考文献:『老後の真実――不安なく暮らすための新しい常識』(文春文庫)