■相談員から
10年、15年後が考えられますか?

10年前に有料老人ホームへ入居された子どもさんのいないご夫婦は、妻が亡くなり夫は今年介護居室へ移られたと聞きました。10年という時間が経つと状況が変化するのは当たり前ですが、ちょっと淋しいような。でもホームへ入居されていたからこそ、介護居室で手厚い介護を受けておられるのだと安堵しています。

認知症状が出始めたものの、何とか自立者向けの有料老人ホームに入居した女性は、2年後に認知症状が重くなり、体調も悪くなって介護居室への住み替えとなりました。そこで入退院を繰り返し、ホームで最期を迎えました。もう少し早めに入居されていたら、長生きできていたのでは、と悔やまれます。ギリギリの状態で入居されるより、早めに入居された方がホームで長生きされるというデータも真実でしょう。

ホーム入居を決めていた一人暮らしの女性は甥が「面倒を見るよ」と言うので、用意していた入居金を甥が家を建て替える費用にと渡しました。果たして同居が上手くいっているのか心配でなりません。

コツコツお金を貯めて希望通りのホームへ入居された女性は、当情報センターがご紹介して任意後見契約を結んだ司法書士さんと、毎月会ってお喋りされているそうです。8年経って概ね思っていた通りの生活ができていると満足され、嬉しい限りです。

片や悩んで悩んで迷いながらやっと入居されたにも関わらず、2年後に入居先で人間関係のトラブルに巻き込まれ、止むなく退去してURの賃貸住宅へ移られた方もいらっしゃいます。

本当に人さまざまですが、少なくとも自分の老後を自分で考えられた方達です。今は91歳で亡くなる女性が一番多いと聞きました。皆さんにもまだまだ時間はあります。ぜひ自分の老後の住まい方は自分で考え、決めてください。

2016年7月1日

米沢なな子(情報センター大阪 センター長)