■相談員から
決断するなら、今でしょ!

まだ先って、いつですか?

78歳の一人暮らしの女性、Bさんは「いずれ高齢者住宅に入居することは決めているの。でも元気なのでまだこの家にいたい。高齢者住宅の情報は持っていたいけど、住み替えはまだ先」とおっしゃっています。相談に来られるほとんどの方が同じことをおっしゃるのですが、その方の年齢や状況で「住み替え時」は違ってきます。60代であれば、確かにまだ10年近い余裕?がありそうですが、75歳を過ぎた方であれば、すぐにでも検討していただきたい、と、この仕事に20年近く携わっている身として痛感しています。好きな言葉ではありませんが、後期高齢者と言われる年代になると、「住み替え」は気力、体力をかなり消耗します。全面的に任せられる子どもやサポーターがいる方は大丈夫かもしれません。ただ他人が引っ越しをすると、引っ越した後の日常生活が分からないことだらけで苦労します。やはりご本人が納得した上で取捨選択されることをお勧めします。この機会を逃すと後は介護が必要な状態になり、周囲が見かねて「介護施設」へ住み替えさせるというパターンになります。それを望む方もけっこういらっしゃるようですが、その時には自分が選択できないのでいろいろな「介護施設」を十分勉強しておかれると良いでしょう。

体力、気力を見極めて

60歳から90歳までを対象にしたアンケート調査で「現在の住まいを“終の棲家”にしますか?」という質問に対し、「終の棲家にはできない」「住み替えたい」という回答が男女それぞれ25%弱あったそうです。その主な理由は①介護が必要になった時に世話をしてくれる人がいない②古くなった家や庭の管理が大変、などです。一方で男性は住み替えたくない派が6割を占め、年齢別では高齢な方ほど、現在の住まいへの愛着が強く、住み替えを望まれなくなります。高齢になるほど「愛着がある」というよりは「引っ越しが面倒」が本音ではないかと思います。
85歳前後のお一人暮らしの女性で、頭では「住み替え」を考えているのに、もう身体がついていかなくて、結局断念した方が数名いらっしゃいます。遠い親戚が引き取った方もおられましたが、どうされているのか気がかりです。元気な方は「高い管理費が勿体ない」とよく言われます。100歳くらいまでの生活設計が必要ですが、自分の意志で自分らしい老後を送るための決断に早すぎることはないのかもしれません。

2016年3月1日

米沢なな子(情報センター大阪 センター長)